総評
奇策・策略物とデスノート要素がパンチラインとして素晴らしい
作者の実績に裏打ちされた軽快で破綻のない素晴らしい文章で読者を冷めさせない
奇策・策略物がお好きなら買い
その二つの要素って調和するものだったんですかと思い返すと、元も大体奇策に寄ってた気がする
この作品を読み進めて思うこと。
どっからどう見てもデスノートとリュークじゃねえか。
ただ、殺す相手が人じゃなくて歴史という点において独自性がある。デスノート(歴史)である。センター試験前に売れそう。
しかしながら、奇策・策略物は往年のラノベ定番として名高いジャンルで、代表作を上げるなら、戦闘城塞マスラヲとミスマルカ興国物語だろうか。
あれ、作者がかぶってしまった。まあよし。
最近の人にわかりやすく説明するなら、ノーゲーム・ノーライフと天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~ になる。
これらの奇策・策略物を読んでわかることは、面白いは面白いけど結局主人公が超絶思考の持ち主で、読者置いてけぼりで小説の外で主人公が盤外戦術使って、よくわからん種明かししてのループなんでしょ。となることだ。ほとんどその通りなんだけどもね。
ただ、今までの奇策・策略物とは若干趣が違うのがこの辺境貴族、未来の歴史書で成り上がる ~イリスガルド興国記~である。
なんと推理小説張りに行動説明をしてくれるのだ。歴史書というアイテムを取り扱うと必ず文字が出てくるなので、文字をどう読み取って動くかという話になるため必然その説明が要求されるわけだ。
こうすることで読者を置いてけぼりにしつつも、きっかけあったよねーというループで読者にも情報開示されている安心感を与えてくれる。
そして文章がうまいために、その辺のいやらしさがきれいに隠されているのが評価点高いポイントだ。
買うかどうか
奇策・策略物が好きなら買いです。
kindle unlimitedは必読です。