総評
すらすらと読める
展開の先読みが可能
パンチとキックは通常の作品の域を出ない
ベンチマークとして最適
定石に次ぐ定石で翻弄されているのは的勢力ではなく読者だった
読み進めてわかるのだが、あまりにも展開の先読みが可能すぎる。
もちろん戦記ものであるため、奇策の部分は作者の力量がいかんとも発揮されているわけだがそれ以外の部分は目の肥えたラノベ、小説好きであれば容易に想像がつく展開である。
逆に言えば、展開を想像できずワクワクして楽しめる人はこれから戦記ものの魅力にどっぷりはまっていくだろうし、そうでなければ自分が目の肥えた読者の一人になれたことへひそかに自嘲して読むと最高に楽しめるだろう。
新奇性を重点に置き、新陳代謝の激しいこの業界でここまでの定石小説は昨今特に珍しい。なぜなら、要素の付け足しを行えば容易に新奇性の担保は取れる。しかし、新奇要素を持たずに王道のみで作品を作り上げるためにはある種の覚悟が必要だ。この覚悟に敬意を表したい。
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