どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回も楽天証券iDeCoの国内資産クラスの取扱商品を見ていきます。このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
注意
ただし、今回はREIT(リート)という不動産クラスの商品なので前回、前々回の株式、債券とはまた勝手が違います。
なので、こちらのリンクで基礎知識を入手してからご覧いただくといいかと思われます。
わかってる人向けのまとめ
今回のファンドは国内REIT(不動産)ファンドです。REITクラスは株式クラスと債券クラスとはまた違った投資リスクを持つクラスであり、リターン特性も異なるので分散投資をする場合に採用するとリスク軽減に貢献します。
また、不動産の価値は物価に連動する傾向があり、日銀2%/年の物価上昇が成功し続ければ不動産価値の上昇が期待できます。
運用方針
「Jリート・インデックス・マザーファンド」を通じて、国内の取引所に上場(準ずるものを含む)している不動産投資信託(リート)に投資し、東証REIT指数(配当込み)に連動する投資成果を目指して運用を行う。ベンチマークとの連動を維持するため、不動産投信指数先物取引等を活用する場合がある。
さて、そんなREITですが、今回のファンドは国内REITに限定されたファンドであり、東証REIT指数という物に連動する投資成果を目指して運用を行うため、インデックスファンドとなります。
では、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:×
このファンドは1.71億円とかなり純資産額が少ないファンドですね。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:○
0.2808%とかなり低めです。これは好印象。
3.一国の景気に左右されないか:×
これは日本国にしか投資していないので、もろに左右されるので×です。
総合評価:交付目論見書の記述と純資産額の低さが不安をもたげる
このファンドの交付目論見書にある運用プロセスを見ると、原則完全法によるとの記述があります。
三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
完全法で運用するということは、おおざっぱに言えばベンチマーク指数を構成する全銘柄を買う前提で運用すると言うことになります。
なるほど、すべて買うのであれば完全に同一というわけではないものの*1、少しポートフォリオをいじくれば指数に連動するのはそう難しい作業ではありません。
しかし、ここで問題なのは銘柄すべてを買うということです。たとえば日経平均株価指数を構成する株価は225銘柄です。たとえばこれらすべてを買おうとしたらいくらかかるのでしょうか? このファンドの純資産額は1.71億円です。このくらいであれば最小単位ならもしかしたら買えるのかもしれませんが、指数に連動できるだけのポートフォリオを満足に組めるかどうかは怪しいところがあります。
何が言いたいかというと、現状このファンドはインデックスファンドと銘打たれていても満足にインデックスと連動できるファンドではまだ無い。
このファンドが設立されたのが2016年9月と言うところからもわかるとおり未だベイビーファンドなのだろうと言うことです。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っている国内REITクラスの一つ
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を1ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:国内
- 投資対象資産:不動産投信
- 補足分類:インデックス型
- 投資形態:ファミリーファンド
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは日本REITに投資するファミリーファンド方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと日本REITに投資すると言うことになります。でもこれだけではどんなREITを買うのか? どういう基準でREITを選定するのか? と言うことが全くわかりません。なので、次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファミリーファンドという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
わが国の取引所に上場している不動産投資信託(リート)に投資し、東証REIT指数(配当
込み)に連動する投資成果を目指します。三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
このファンドはインデックスファンドなので、何かしらかの指標と連動する運用成績を出すはずです。
今回は東証REIT指数(配当込み)に連動するようです。
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している不動産投信(J-REIT)全銘柄を対象とした「時価総額加重型」の指数です。算出方法は、基準時を平成15年(2003年)3月31日(終値)に置き、その日の時価総額を1,000として、その後の時価総額を指数化したものです。
ではこの方法でいったいどうやって資産成長を達成するのでしょうか、次のファンドの特色を見てみましょう。
ファンドの特色
次にファンドの特色には先ほどファンドの目的で書かれている「指標に連動する成績」のもう少し詳しい説明、「どのような方針で連動する成績を達成するか」が書いてあります。
今回はファンドのしくみの次の運用プロセスに詳しく書いてありますね。
ファンドのしくみ
さて、ここではファミリーファンドとは何かということが図で分かりやすく説明されます。
要は、日本債券とこのファンドの間にもう一つファンドが入ると言うことです。なぜこんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
ほかにも複数のファンドを組み合わせているファンドオブファンズと言った物も今後出てきますので、こういった手法もあるのだと覚えておいてください。
その下にファンドのポイントと言う欄がありますが、たいしたことは書いてないのでさらりと読んでおいてください。
ここから後は難しい上にそこまで重要ではないのでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
運用プロセス
さて、この運用プロセスを見ると原則完全法により運用すると書いてあります。
完全法とは
指数を構成するすべての銘柄について、その時価構成比率に合わせて保有し、ポートフォリオを構築する方法です。
投資単位を考慮してすべての銘柄へ投資する必要があるため、相当な投資額が必要となります。そのため、日経
平均株価など、各銘柄の構成株数が決まっているタイプのインデックス運用に採用されることが多いのが特徴です。
また、信用不安が懸念される銘柄も原則として組み入れる点にも留意する必要があります。三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
この完全法で運用すると相当額の投資資金が必要なようですが、そうなると後の方にある純資産額の推移が気になりますね。
投資リスク
投資リスクの定量比較
さて、下の方まで来ましたがこの交付目論見書には参考情報という欄で投資リスクが表示されています。
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは左側のグラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
なかなか投資リスクが高いですね。このファンドは若すぎるので連動する予定の指標をグラフに使っているのですが、信じられないくらい高いですね。
一概にいいとか悪いとか言えませんが、個人的にはここまで高いと少し躊躇してしまいます。
運用実績
次のページにある運用実績では今までの実績が書き連ねてあります。が、このファンドは若すぎるので何も書いていません。
一応下記に示すのはこのページを初めて見た人の解説用です。
ここで見るべきは左のグラフの純資産グラフと、右の表の分配金です。
-交付目論見書より
まず左の純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
さて、若すぎるためこのファンドには存在しませんが楽天証券にはこれまでのチャートが書いてあるのでそれを見ましょう。
三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 投資信託 | 楽天証券
とはいえ、資産額が少なすぎるのに加えて期間が短いのでなんとも言えません。うっすら上向いてはいるようですがいつまともに運用できる純資産額になるのでしょうか? 先が思いやられます。
分配の推移
ファンドがわか過ぎるので記載なし。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは0.2808%と低い信託報酬手数料です。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回のファンドは下記の東証REIT指数(配当込み)に連動しているのでここから年リターンを計算してみましょう。
5年運用してみた
過去5年運用すると+16.7%/年のようです。ここから信託報酬手数料を引いて+16.4%で計算してみましょう。
元本60万に運用益32万です。最高ですね。
30年運用してみた
2003年に設定された東証REIT指数に過去30年の運用結果はないので、設定年初来の数字を見てみましょう。
どうやら-3.3%で成長しているみたいですね。それもそのはず、これはリーマンショックを含んでしまっているからです。
なので、10年運用の成績である+1.4%を使って30年分増やしてみましょう。
信託報酬手数料を引くと約1%ですね。
ふむふむ、運用収益59万ですか。これに日銀の2%を引くと-1%成長です。リーマンショックが足を引っ張りまくっているのであまり参考にならないかもしれませんね。一応、REITは物価の上昇に価値が連動するようですのでなんとも言えないですね。
まとめ
インデックスファンドの三井住友・DC日本リートインデックスファンドを見ていきました。
REITは僕自身まだまだ勉強途中なのでふわっと言葉を濁しているところがあるのでご了承ください。
それでは、投資は自己責任で!
*1:指数は算出されるときにいくらかややこしい計算がされている