どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回から楽天証券iDeCoの海外債券クラスの取扱商品を見ていきます。国内債券とはまた毛色の違うクラスですが、基本は一緒ですのでリラックスしてご覧ください。
このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
- 債券のざっくりとした解説
- 比較的わかってる人向けのまとめ
- 交付目論見書を読んでいこう!
- 商品分類と属性区分
- ファンドの目的・特色
- 投資リスク
- 運用実績
- 手続・手数料等
- このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
- まとめ
債券のざっくりとした解説
株式はなんとなくわかっても債券はよくわからないという人が比較的多いかもしれません。
債券とは簡単に言えば会社や国が投資家から借金をしたときに発行する借用書のような物で、株式と違い利率や満期日が設定されています。
- 利率=定期的な利子収入が見込める
- 満期日=この日が来たら購入額面金額である償還金が帰ってくる
この二点により、株式のように配当金は出ない物の定期的な利子収入が見込め、満期日の償還金により元本がかえって来るという比較的安全性の高い商品です。
とは言え、発行する団体によっては債券の安全性が危ういこともあります。その辺は他の人の解説に譲りますので一度お調べください。
比較的わかってる人向けのまとめ
さて、今回のファンドは海外債券の中でもハイイールド債券に絡む物のようです。
ハイイールド債券とはジャンク債つまりクズ債券という意味です。この債券は信用格付けが低く元本割れするリスクが高い=利回りが高い、ハイリスク/ハイリターンの債券のことです。
運用方針を見てみましょう。
運用方針
「LA米国ドル建てハイイールド債マザーファンド」を通じて主に米国の米ドル建て高利回り債(ハイイールド債)に投資する。定性分析・定量分析に市場環境分析を加え、良質な資産と優良な経営陣を持つ企業を重点的に抽出し銘柄選択を行うことにより付加価値を追求する。原則為替ヘッジを行わない。BofAメリルリンチ・US・キャッシュ・ペイ・ハイイールド・インデックス(円ベース)をベンチマークとする。
この運用方針を見ると、BofAメリルリンチ・US・キャッシュ・ペイ・ハイイールド・インデックス(円ベース)と言う指標に連動する投資成果を目指すインデックスファンドのようです。
このインデックスについては情報が少なすぎてなんとも言えません。
では、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:×
このファンドは約8億円と30億にほど遠い純資産額です。純資産額は右肩上がりですが、設定日2005年から運用を開始しているにもかかわらずこの水準では満足な運用が出来るとはとうてい思えません。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:×
信託報酬手数料が1.512%と高い数値ですね。ハイイールド債券は元本割れのリスクが高いため、そのリスク分散のコストを考えるとこのくらいの数字になるのかもしれません。
3.一国の景気に左右されないか:×
このファンドは米国内のハイイールド債券を運用しているため、米国の状況に左右されやすいと言えます。
総合評価:債券を採用する理由をよく考えた方がいい
基本的に堅実に運用するのであれば採用しない方がいいインデックスファンドです。
前回に引き続き、債券を購入すると言うことはどういうことなのかをよく考えた方がいいと思います。
債券はその特性上元本の安全性が高い商品ですので、当然購入すると決めるときは資産の安全性に興味が向いていると言うことでしょう。しかし、その安全性という特性を減らしたハイイールド債券を購入すると言うことはいったいどういうことなのでしょうか?
この二律背反に近い資産配分をするということの正当性を一度よく考えた方がいいかもしれません。
これを買うくらいであればまだ株式クラスに資金を振り分けた方がいいと思います。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っている海外株式クラスの一つ
みずほUSハイイールドファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を1ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:海外
- 投資対象資産:債券
- 補足分類:なし
- 投資対象地域:北米
- 投資形態:ファミリーファンド
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは海外債券の中から北米債券に投資するファミリーファンド方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと北米債券に投資すると言うことになります。次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファミリーファンドという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
主として米国の米国ドル建ての高利回り債(以下「ハイイールド債」といいます。)に投資を行い、信託財産の成長と安定した収益の確保を目指します。
みずほUSハイイールドファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
ちょっとよくわからないのでファンドの特色に詳しく書いていないかを見てみましょう。
ファンドの特色
ファンドの特色ですがまず最初にこのように書かれています。
Ⅰ. 米国の米国ドル建てのハイイールド債を主要投資対象とします。
◆綿密な調査に基づく銘柄の選択と適度な銘柄分散によって信用リスク等をコントロール
しつつ、高い利回りの享受を目指します。◆「LA米国ドル建てハイイールド債マザーファンド」をマザーファンドとするファミリー
ファンド方式で運用を行います。
◆外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。
◆BofAメリルリンチ・US・キャッシュ・ペイ・ハイイールド・インデックス(円ベース)をベンチマークとします。みずほUSハイイールドファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より一部略
やっと全貌が見えてきました。このファンドは米国のハイイールド債券というハイリスクハイリターンの債券に投資するという訳です。そして、その評価にはBofAメリルリンチ・US・キャッシュ・ペイ・ハイイールド・インデックス(円ベース)と言う指標を用いると言うわけです。なので、このファンドはインデックスファンドと見ていいでしょう。
ちなみに、ハイイールド債券とは何かは交付目論見書に詳しく書いてあるのでよく読んでおいてください。
ファンドのしくみ
ここではファミリーファンドとは何かということがファンドの特色の中に図で分かりやすく説明されます。
要は、このファンドと投資対象の間にもう一つファンドが入ると言うことです。なぜこんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
ほかにも複数のファンドを組み合わせているファンドオブファンズと言った物も今後出てきますので、こういった手法もあるのだと覚えておいてください。
ここから後は難しい上のでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
投資リスク
投資リスクの定量比較
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは棒グラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
みずほUSハイイールドファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
運用実績
ここで見るべきは純資産グラフと、分配金の推移です。
みずほUSハイイールドファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
まず純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
今回の場合は多少基準価額の下振れに影響されつつも右肩上がりで純資産額が増えているので問題ないでしょう。
分配の推移
分配金は出ていないので問題ないでしょう。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは1.512%とかなり高い信託報酬手数料です。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回のファンドはモーニングスターで10年までの年率が表示されているのでそれを利用することにします。これは信託報酬が引かれている物として扱います。
5年運用してみた
過去5年運用すると12.87%/年のようです。
元本60万に運用益約23万です。。
30年運用してみた
30年はどうでしょうか。10年利が5.75%です。
元本360万に運用益約597万です。
まとめ
インデックスファンドのみずほUSハイイールドファンド<DC年金>を見ていきました。
債券系は比較的安全かつきちんとした収益が見込める投資クラスですが、ハイイールド債券は投資リスクがかなり大きいのが特徴です。また、今回のハイイールド債券は米国のハイイールド債券なので、米国の動きにかなり影響されます。
と言うことは先進国系の投資クラスを保有している場合、ハイイールド債券を購入することはリスクの分散に当てはまりにくいと言うことが言えますね。
そのことをしっかり踏まえた上で、ハイイールド債券の購入を検討してみてください。
それでは、投資は自己責任で!