どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回は楽天証券iDeCoのコモディティクラスの取扱商品を見ていきます。とは言えコモディティクラスはこれ一本しかないので、商品比較のページは作成しません。
このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
- 比較的わかってる人向けのまとめ
- 交付目論見書を読んでいこう!
- 商品分類と属性区分
- ファンドの目的・特色
- 投資リスク
- 運用実績
- 手続・手数料等
- このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
- まとめ
比較的わかってる人向けのまとめ
さて、今回のファンドはコモディティの中でも金現物に投資をする物のようです。
運用方針を見てみましょう。
運用方針
主として金現物拠出型上場外国信託「SPDR ゴールド・シェア」への投資を行うと共に、その投資金額相当額の米ドルについて原則として為替ヘッジを行うことにより、参考指数とする金地金価格を示す「LBMA午後金価格(1トロイオンス当たり/米ドルベース)」の円ヘッジベースの動向を反映する投資成果の獲得を目指す。国債を中心に日本の短期公社債等にも投資を行う。
この運用方針を見ると、LBMA午後金価格(1トロイオンス当たり/米ドルベース)と言う指標に連動する投資成果を目指すインデックスファンドのようです。
ロンドン渡し金価格(London Gold Fixing Prices)。
ロンドン地金市場協会(LBMA)が、午後決め値(pm fixing price)として公表する、1トロイオンス当りの金価格。
では、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:×
このファンドは約4億円と30億にほど遠い純資産額です。純資産額は右肩上がりですが、設定から3年も経過してこの数値はどうかと思います。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:○
信託報酬手数料が0.886%と少し高めですね。交付目論見書を読むとファンドオブファンズ、つまり複数のファンドを利用して運用を行う様ですのでこのコストが反映されているのかもしれません。
3.一国の景気に左右されないか:○
金相場は株や債券の動きとは概ね反対に動くのが特徴です。つまり株の調子がいいときは金相場は下がり、株の調子が悪いときは金が上がります。この動きは一国の景気には左右されずに世界的な景気に左右されますので○です。
総合評価:上級者向けの商品
金相場は前述の通り株の動きとは反対に動きます。なので、今世界的に株の調子がいいため金を購入するのも判断としてはありでしょう。
しかしながら、基本的に世界経済は右肩上がりで成長しております。と言うことはコモディティの価格は基本的に徐々に下がっていくと言うことが言えるでしょう。
リーマンショック後、金の価格は2倍ほどに跳ね上がりましたが今ではその時から30%ほど下落しています。
こうした特殊な商品であるため、取り扱いには十分注意してください。僕はあまり買おうとは思いません。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っているコモディティクラスの一つ
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を1ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:海外
- 投資対象資産:その他資産(商品)
- 補足分類:なし
- 投資対象地域:グローバル
- 投資形態:ファンド・オブ・ファンズ
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドはコモディティつまり商品先物に投資するファンド・オブ・ファンズ方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと商品先物に投資すると言うことになります。次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファンドオブファンズという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
当ファンドは、主として金現物拠出型上場外国信託「SPDR® (スパイダー)ゴールド・シェア」への投資を行うと共に、その投資金額相当額の米ドルについて原則として為替 ヘッジを行うことにより、金地金価格を示す「LBMA午後金価格(1トロイオンス当たり/米ドルベース)」の円ヘッジベースの動向を反映する投資成果の獲得を目指します。
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
なので、このファンドはLBMA午後金価格つまりロンドン金価格と言う指標に基づいて運用していくインデックスファンドと言うことがわかりますね。 そして、ここからこのファンドで取り扱う商品先物は金であると言うことがわかります。
『ロンドン金価格 (円) インデックス』 |インデックス詳細
ファンドの特色
ファンドの特色ですがまず1番の補足事項に目を向けてください。
主として国債を中心に日本の短期公社債等に投資を行い、安定した投資成果の獲得を目指す親投資信託「短期国債マザーファンド※ 3」にも投資を行います。
※3 米国ボルカー・ルールの適用により、マザーファンド名称に社名等の使用が禁止されたため、2016年5月31日付にて、ファンド名から
“ステート・ストリート”を削除しました。ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
このファンドは金を取り扱うファンドだと思っていましたが、どうやら金以外にも日本債券にも一部の資産を投資するようです。と言うことは、金+債券の合わせ技で運用していくと言うことですね。
また、2番には為替ヘッジを行うと言うことが書いてあります。為替ヘッジは為替リスクを低くする効果がありますので、烈しい値動きが起こらない分利益も割り引かれます。
ファンドのしくみ
ここではファンド・オブ・ファンズとは何かということがファンドの特色の中に図で分かりやすく説明されます。
今までのマザーファンド形式は、このファンドと投資対象の間にもう一つファンドが入ると言うことでしたが。なぜそんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
しかし、この方式の弱点はマザーファンドが一種類の投資クラスしか取り扱っていないことがままあるため複数の投資クラスに資産を投資する場合に不便であるということが言えます。なので、既存のマザーファンドとは全く別の投資クラスを取り扱うマザーファンドをもう一つ組み合わせることでこれを解決することが思いつきます。
そして、それを実行し複数のマザーファンドを利用して投資を行う携帯をファンド・オブ・ファンズと呼ぶわけです。
結構ざっくりとした説明で申し訳ないですが、実際しらなくても投資は出来るので気にしないでください。
ここから後は難しい上のでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
金を資産に追加することのメリットがよく書かれています。
投資リスク
投資リスクの定量比較
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは棒グラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
棒グラフの下落がすごいですね。このファンドはリーマンショックの影響から回復しはじめている最中に設定されているので、リーマンショックから回復すると言うことは株の調子がいい=金の価格は下がるということでしょうが無いですね。
運用実績
ここで見るべきは純資産グラフと、分配金の推移です。
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
まず純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
今回の場合は基準額が下落しているにもかかわらず、純資産額が右肩上がりになっていますね。これは金相場の下落により以前より割安に金が買える環境だからでしょう。
分配の推移
分配金は出ていないので問題ないでしょう。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは0.4860%と表示されていますが、注釈に。
金現物拠出型上場外国信託「SPDR® ゴールド・シェア」において、別途、信託管理報酬等として純資産総額に対し年率0.40%を乗じて得た額が控除され、実質的な信託報酬は合計で年率0.8860%程度となります。
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
となっているので実態は0.886%となりますね。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回のファンドは少し毛色が違うので計算しません。
まとめ
コモディティファンドのステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)を見ていきました。
金は株式と真逆に動くため、投資リスクの分散が期待できる商品ではある物の、個人的考えでは株式、債券、REITなどが投資舞台の主役であると考えます。なぜなら各企業は日々努力しよりよい商品を開発して自身の利益を上げようとしています。と言うことは企業の価値、株価というものは長期的に見れば日々値上がって行くはずです。
しかし、金はそうした企業の努力が無になったときに価格が上がる天邪鬼な投資クラスです。そういう特徴のある金を買うと言うことはなぜなのか? をしっかりと説明できてから買うべきだと僕は思います。
iDeCoを活用する以上、60歳になったときに購入した各商品が値上がっていてほしいものですね。
それでは、投資は自己責任で!