俺が生まれる前に書かれた本で、ふにやんまさんの紹介文がなかったら手にも取ろうとしなかった本だ。
俺は育児なんてまだまだ、彼女もいたことがないそういった正直記事のターゲット層からは外れているだろう。
あの引用文に魅せられてその引用文を保持している本を所有したいというある意味、母岩付きの原石を購入する面持ちでポチったのだ。
到着した本は平成元年に刷られたもののようで四半世紀の香りを漂わせていた。
最初の数ページをつらつらと読むとまさに俺が手に取ることが運命づけられたような心地よい文章が整然と並び言い知れぬ安堵感が胸を貫き、あの宝石のような引用文はどのような流れで配置され、どのような説得力を持ってその章全体ひいてはこの本全体を昇華させるのかが楽しみでたまらない。
もしかしたらあの文章に差し掛かった瞬間泣くかも知れないそういった期待感を持ってこの本を読み進めていこうと思う。
ああ、素晴らしい本が目の前に現れた。この本は一体僕に何を訴えかけるのだろうか?そして僕はその訴えにどう答えるのだろうか?
そして僕がその訴えに答えた時世界の見え方はどう変わるのだろうか?