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マルチ商法の勧誘にあった:人生3回目

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先日、20代のころに働いていた職場の先輩から急に連絡があり会いに行った。

とはいえ、長期で連絡とってない人からの誘いは高確率でマルチ商法や何かしらかの営業の勧誘であると過去の経験からわかっている。その辺は留意しつつ単純に顔を見たいだけのノリで会うことにした。

マルチ商法

久しぶりに会った先輩は髪型以外はほぼ変わらず、思い出話に花を咲かせたが、終盤になるにつれてお金の不安やら何かの話を自身の家庭事情ともに話し始め、「なるほど、このルートで行くのね」と妙に達観した観察者のような気分で話を聞いていた。

最終的に紹介したい人がいるということで後日の約束を取り付けられたが、この流れで出てくるのは99%マルチの勧誘者であるため、どうか1%を引いてくれと思いながら当日を迎えた。

 

当日、先輩から紹介された人は40~50代の男性で数社会社を持っているらしい。当然僕や先輩より年齢が上である。若年には年長を当てろとか言うマニュアルでもあるのか、マルチの勧誘員はおおむね年長かつプチ成功者である。

 

とりあえず雑談から始めるが、頭でっかちの自分は話を聞きながら、「これがアイスブレイクってやつかー、小笑いをいくつか交えつつ相手にも自分の話をさせるのは歴戦の猛者を思わせる、コミュ力がものをいう業界の社長だけあってその辺うまいなぁ」とやたら感心させられた。

 

アイスブレイクも終わりかと思ったのか、本題のマルチ勧誘に入り始めるが、残念ながら僕はアイスじゃなくてロックなのでまだカチカチなんだがなぁと思いつつもマルチの仕組みを説明される。

 

パンフレットとともに紹介された商品はざっくり言えば、医療保険+福利厚生の共済を契約してもらおうというもので加入することで様々なサービスが受けられるとのことだ。こうした一見まともそうな商品がマルチかどうか見分けるポイントとして、虎の威を借りる狐話法を用いてるか否かがある。

例えば、今回の医療保険を提供している元会社はいわゆるメガ損保と呼ばれるような有名企業が提携していると強調したり、有名新電力会社、ガス会社の特別プランに入れてインフラ面もカバーできる!とか、社長の集まりでこの話したら俺も入りたい!と言われたとか、この制度の運営者は1円ももらってないんですよ!こういう章を受章したんですよ!とか。

 

あの手この手で商品自体ではなくその商品外部の存在を引き合いに出して、信用ありますよ、有名企業ってなかなかコラボしてくれないんですよ、こういう人物が運営している組織ってすごくないですか。という虎の威を借りる狐のような話法を駆使してくるのだ。

別のマルチ勧誘の話で一番笑ったのが、この地区の管轄リーダーは某有名芸能人の元配偶者だから安心というフレーズだった。何が安心なのか全く不明だし、こんなことしてるから離婚されたんだろとしか思えなかった。

 

そしてマルチの本題に入り、この共済には通常会員とプレミア会員の2種類があり、プレミア会員は通常の倍の会費を払うことで共済勧誘の権利と勧誘ボーナスが入るというわけだ。

勧誘ボーナスについてはなかなか複雑な仕組みがあったが、設立から一回も摘発されたことがないと自信をもっていっていたので、摘発をかいくぐるための仕組みなんだろうなぁと理解した。

 

入金の仕組みも摘発回避のために自分ではなく子が100人単位で勧誘しないとまともな収入にならず、ここでいう子は先輩の下に入る自分である。なんで10年ぶりに会った俺がそんなに頑張らねばならんのだと首をひねる内容だ。

最後に殺し文句的な内容で話されたのが、このパンフレットと入金されている通帳を銀行に見せれば莫大なローンが組めるという話だった。

どうも、この配当源泉がどこからきているかを銀行が理解すればそうなるらしく、なぜならプレミア会員費の半額を配当プールとして利用しそれを仕組みに基づいて分配するから枯渇する心配がないとのことだった。

 

いや、それって下っ端があからさまな養分ですよね???通常会費とプレミア会費の差額になんの意味があるかと思ったら、養分費だったのか納得です。

話せば話すほど墓穴に入るし、冷静に聞けば誰でもわかるこれに入ってる先輩。。。

 

でもわからなくもない。もう一つマルチを見分けるポイントとして、話している最中に自分が不満に思っている内容を聞き出しくすぐり、人間の欲を増長させる話術がある。

お金がない、時間がない、かなえたい夢。これらを聞き出され、これなら叶いますという、手段の提示をされるわけだ。

 

ちなみにこの話術は人間の欲望に特攻があるため、ほとんどすべての人間にクリティカルヒットを食らわせていく。

対抗策としては、別に金はそこまでいらんし、時間も今のままで十分だし、叶えたい夢も特にないというスタンスを貫くしかないのですが、それでもガードを潜り抜けて帰り際にあるといいなぁと思わせるだけのパンチを残していきます。

 

ろくにガードもしなかったら脳みそ揺さぶられてKOになるしかないわけで、前日に家庭環境やら現状を聞くと手を出したくなる気持ちもわかるけど、かわいそうだなと思いながら席を立ったのでした。