ゴルフを覚えたはいいものの
20代のころ初めて入った会社でゴルフを覚えてから、ちょろちょろとゴルフをするようになった。
打ちっぱなしに行ったり会社の先輩に誘われたりして遊んでいたが、全然うまくはならない。それでも楽しく遊んでいたし、ゴルフホールを駆け回る楽しさは何にも代えがたい満足感を自分に与えてくれていた。
当時はゴルフを覚えると仕事の成績が上がるみたいな話もあり、実際に顧客はゴルフが趣味かつ、仲のいいところに仕事を発注したいといういわゆるウェットな人物が多かったため、ある程度ゴルフができるということは、ある程度仕事が取れると同義だった。
しかしながら、転職し異業種(特にB2C)に行くとそうした深いべっとりとした関係を顧客と構築するのが難しく、基本的に一期一会のドライな対応が必要なため、ゴルフなどのような友好を深める類の行為は重要度の少し下がった趣味のようなものとして取り扱うこととなった。
ゴルフを楽しむための弊害
こうして、趣味としてのゴルフに移行したが、基本は打ちっぱなし練習場に行くだけの作業となった。
というのも、ゴルフの醍醐味であるコースに行くというのは二つの点で難易度が高い。
まず一つは、基準より下手な人間は歓迎されないということだ。
ゴルフクラブを実際に振るとわかるが、下においてある球を棒で引っぱたくというのはかなり難しい。安定して当たるようになっても大きく左右にずれるため、実際のコースではOB(野球でいうファール)になり、打ち直しが多発する。
こうなるとゲームが全く進まなくなるためゴルフとして成立せず、後ろから回ってくるプレーヤーが足止めを食らい大迷惑をかけることになる。
そして私のスコアは150前後であり、このスコアは大迷惑をかける可能性が高い実力であると言える。
もう一つは一人でゴルフのコースに行くことが難しいという点だ。ゴルフは原則的に4人でコースを1日かけて回るもののため、一人でコースを回ることは一部のゴルフ場を除いてできない。
ゴルフに詳しい方はここで一人予約システムを提示するだろう。ゲームでいえば野良プレイに相当する。プレーしたい人たちが参加枠を埋めていき、枠が埋まればプレー開始というものだ。
しかしながら前述のとおり、プレーがうまくないとゴルフがスムーズに進まないし、実力が均等でないと同行者にストレスがかかるため、同じような実力でマッチできるようにするわけだが、その検索欄を見ると150台の人間は来ないようにと暗に示されている。この状態で無理やり行ってもゴルフカートの中で気まずい雰囲気で一日過ごさなくてはならないため、一人予約もできなかった。
こうなると友人等を誘い、事前にOBしても半分くらいまで進んだことにしたり、グリーンに乗ったらカップインしたと扱うなど、後続に迷惑をかけないようなプレイをするしかないが、残念ながら誘っても練習でうまく打てず興味をなくすことが多発し、次第にゴルフ熱は冷めていった。
そもそも、練習してもゴルフがほとんどうまくならなかったため根本的にゴルフに向いていなかった可能性はかなりある。
サバゲーとの出会い
そのようなことがあり、ゴルフクラブがホコリをかぶり散らかしていた年の暮れ、サバゲーの誘いがあった。
少なからず銃は好きだし、サバゲーにも興味があったため二つ返事で参加を表明すると早速次の週末に行くこととなった。
結論から言うと先ほど挙げたゴルフの欠点はサバゲーがすべて克服しており、非常に魅力的といえた。
まず、ゴルフのスイングが難しいという点は、銃のおかげですべて克服された。構えてトリガーを引けば老若男女誰でも撃てる兵器としての手軽さがいかんなく発揮され、試射場で数回練習しただけで全く問題なくプレイができたのは大きい。
また、参加人数も場所によるのだろうがぱっと見50人前後参加していたのはとても良かった。FPSゲームの対戦でもそうだが参加人数が多ければ多いほど一人一人の責任が薄まり、ある意味何をしててもよい状態となる。一人も倒せなくても、ある場所を見張り牽制射撃をするだけでも十分役目を果たしていると言える。
見ず知らずの3人と狭いゴルフカートに乗り込み一日過ごすのと、広めの待機所で50人がわさわさしているのとでは精神的な圧力が全く違う。
このようにゴルフの二つの大きな欠点を克服できたのは非常に強い。
サバゲーの欠点
とはいえサバゲーはゴルフにはない欠点がある。
一つは銃が重いことだ。当たり前だが銃を持ってフィールドを歩くわけだが、一丁数キロある銃を持ち、てくてく歩くのはなかなかにしんどい。冬でも汗ばむレベルだった。
次にフィールドが少ない
ゴルフ場と比べたらかなりフィールドが少ない。どこがどう違うかもよくわからないし楽天GORAのように統合システムのようなものもないのですこし大変だ。
最後が、当たるとめっちゃ痛い
エアガンはゴーグルをかけましょうという話は聞いたことがあるともうが、サバゲーはフェイスマスク必須である。ある程度の距離を離れていてもかなり痛い。
最後に
こうして欠点はあるものの、そもそも参加できないという点を完全に克服したサバゲーは趣味足りうるのではないかということでゴルフクラブを売りはらい銃を買った。
ちょっと性急すぎるかなと思ったが、今後の人生においてゴルフをやる可能性が全くないため断行した。
結果的にゴルフクラブは家では振れないが、銃なら家でパシパシ撃てるという最大のメリットを享受し楽しく遊んでいる。
ゴルフをやめてよかった。