この二択はおそらく現代のクリエイターにとっての偉大な問いの一つなのではないかと思う。
特に同人で少しだけ稼げている人にとってはまさに頭をかかえる問いであると思われる。これの何が問題なのか、その問いにどう答えればいいのかそれを考えていこう。
同人で稼げている前提
自分の好きで生きていくが「正しい」とされる世の中に置いてその好きで生きていくためのツールを開発する企業はそれを実現するために不断の努力をしてきた。
具体的には個の力の増大だ。誰もがスマホを持ち高価な携帯性に劣るPCを持ち運ばなくても様々な創作、編集作業が可能になった。そしてスマホもカメラ機能の強化や各種シェア機能の拡充を行いいつでもどこでも我々は創作物を発表発信できるようになった。*1
そうしてその創作物から収益を得る方法も増えてきた。広告を乗せて広告収入を得られるし、ファンクラブを作成して月収入を得られるようにもなった。もっと言えば企業がそれに目をつけ同人作品販売プラットフォームを構築している。
こうして様々な存在が同人もとい個人の力を最大化するように動いている訳で、その中からは大きな収益を得ることができた人たちも数多くいる。
上と下の間に取り残された人たち
そうして稼げる存在が出てくればもちろん、稼げない存在も出てくる。
稼げない理由は様々で、そもそも技術が未熟すぎたりとか時流を読めていなかったりとか全く不向きであったかと色々ある訳だが、彼らは幸運にも稼げていないと言う事実を「これは趣味である」と言う言い訳で覆い隠すことができる。
しかし中途半端に稼げている人にとってはなかなかに難しい判断を迫られる。例えば毎月5万円ほど収益が出ているとしよう。
この場合、頭をよぎるのはこのまま同人で活動するか、どこかの企業で働くかの二つだ。
同人で活動する
同人で活動すると言うのは極論すれば、同人でお金を稼ぎ生活していくと言うことだ。これは前述の通り周りからの技術的後押しもある。
一見理にかなっているように見えるが本人としてはかなりの大博打な感がある。と言うかこれはもう起業をすると言っているのと同義でその前に立ちふさがる心理的な壁は分厚い。
そもそもここで月20万30万継続的に稼げているのであれば、壁も薄くなるのだが如何せん月5万である。資金繰りや生活費をどうすればいいかを考えると夜も眠れなくなる感じだ。
また同人に専念したところで現在の収入から増える見込みもない。そして現在の昼の仕事*2に完全に生活を依存しているとするとそもそも専念できるかどうかも怪しいと様々なことを考えてしまう。
企業にいくか
では企業に行くと言うのはどうだろうか? 要は自分がいましている同人と同じ業種の企業にサラリーマンとして行く訳だ。
例えば絵描きがデザイナーやイラストレーターとして入ってしまえば、仕事の全部がそれになる。「絵を描いてお金をもらう」のある種の終着点でもある。
が、企業に入った瞬間同人活動で何を得たかったのかを真剣に考えることになる。なぜならこの場合でいけば好きでもない絵柄を延々と描き続けることになるのは請け合いで、もしもその企業に入りたいと考えていなかったのであれば*3難しい決断を迫られるだろう。
どう言う状態を望んでいるのかは考えておいたほうがいいと思う
つまるところ上記の二択は自分がどう言う状態を望んでいるのかに依存すると思われる。
ここが謎ならどちらを選んだとしても不幸な結果に終わるんだろう。