総評
軽快で小気味よいサイコーなストーリ展開の合間に極太のガイドブックを読まされている気分。
キックとパンチの初速は十分あるものの、ガイドブックのせいで圧力が全部逃げている。
kindle unlimitedで2巻まで公開中。2巻で第一部完となるため、読後感はよい。
実験的小説と言われたら信じるしかないレベルの情報量
この手の国家運営物は周辺諸国との関係性を楽しむジャンルのため、読者に提供する情報量の管理が最重要になる。
少なすぎても多すぎても読者に不快感を残すため難しいジャンルだ。
国家運営物に近しいジャンルで比較的情報量管理がうまいのは、天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~だ。
転生したら皇帝でしたは、明らかに情報量が多すぎる。体感で言えば1/3まで減らしても全く問題はないだろう。
一通りの説明がすべて終わった後のストーリー展開は驚くほどしっかり面白いため、この情報量さえなければ非常に好まれるはずだ。
しかし、この面白いストーリー展開も急に挟まれる情報の壁によって寸断されている。
リニアに話を進めてほしい読者としては、素地が素晴らしいだけにもったいないという口惜しさがある。
買いかどうか
正直kindle unlimitedで公開されている部分まででよい気がする。
3巻がkindle unlimitedに入ったらまた読むだろう。