どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回から楽天証券iDeCoの海外株式クラスの取扱商品を見ていきます。国内株式とはまた毛色の違うクラスですが、基本は一緒ですのでリラックスしてご覧ください。
このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
わかってる人向けのまとめ
海外株式クラスと一口に言っても、その中身はまるで違います。先進国株式を重点的に網羅したファンドもあれば、新興国を代表するハイリスクハイリターンの市場まで千差万別ですので、そこのチェックがまず最初ですね。
運用方針
主として、「海外新興国株式インデックス MSCI エマージング(ヘッジなし)マザーファンド」を通じて、新興国の株式に投資を行ない、MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円ヘッジなし・円ベース)の動きに連動する投資成果を目指す。
今回のファンドは運用方針にあるとおりエマージングインデックス。つまり新興国と呼ばれる国々で中南米や中東、東欧などが代表的です。これらの国々は将来的に高い成長率が見込めるものの、政治や経済が未成熟であるため混乱することがありハイリスクハイリターンといえる市場です。
このインデックスは・・
・MSCI エマージング・マーケット・インデックス(MSCI Emerging Markets Index)
・EM(Emerging Markets:エマージング国=新興国)が対象
・各国の大型/中型株(時価総額の上位約85%)をカバー
・MSCIシリーズの中でも代表的なインデックスのひとつ
なので、これを買えば資産をある程度のリスクにさらす物の先進国と比べて高いリターンを得ることが出来る可能性があるというわけです。
では、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:○
このファンドは約81億円と100億には届かないものの、基準の30億円を大幅に超えているので資産的には問題ありませんね。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:○
信託報酬手数料が0.594%といい安さです。これなら手数料負けをあまり気にすることはありません。エマージング市場は取引コストがかさむため、手数料が高いことが多いのですが、このファンドの信託報酬手数料は素晴らしい数字を見せています。
3.一国の景気に左右されないか:○
このファンドは多くの新興国に実質投資を行っているので、たとえ一つの国の景気が悪くても成長が見込めます。
総合評価:リスクとリターンをしっかりと認識した上で購入すること
すべて○評価ですが、何度もお伝えしているとおりこのファンドは新興国株式に投資するため急激な値動きが予想されます。また、一国の景気に左右されないと言っても新興国株式の値動きは先進国株式と高い相関を持つクラスです。
これらの点をよく認識した上で購入する必要があることを覚えておいてください。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っている海外株式クラスの一つ
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 投資信託 | 楽天証券
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を2ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:海外
- 投資対象資産:株式
- 補足分類:インデックス型
- 投資対象地域:エマージング
- 投資形態:ファミリーファンド
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは海外株式のエマージング(新興国)株式に投資するファミリーファンド方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと海外株式に投資すると言うことになります。でもこれだけではどんな銘柄を買うのか? どういう基準で銘柄を選定するのか? と言うことが全くわかりません。なので、次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファミリーファンドという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
主として、新興国の株式に投資を行ない、MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円ヘッジなし・円ベース)の動きに連動する投資成果をめざします。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
インデックスに連動する投資成果と言うことは信託報酬手数料が安くなりやすいことが特徴ですね。
ではこの方法でいったいどうやって資産成長を達成するのでしょうか、次のファンドの特色を見てみましょう。
ファンドの特色
次にファンドの特色には先ほどファンドの目的で書かれている「指標に連動する成績」のもう少し詳しい説明、「どのような方針で連動する成績を達成するか」が書いてあります。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
これによれば、海外新興国株式インデックス MSCI エマージング(ヘッジなし)マザーファンドと言うマザーファンドに資金を投入し、投資を行うようです。
ではマザーファンドとは何でしょうか?
ファンドのしくみを参照してみましょう。
ファンドのしくみ
さて、ここではファミリーファンドとは何かということが図で分かりやすく説明されます。
要は、このファンドと投資対象の間にもう一つファンドが入ると言うことです。なぜこんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
ほかにも複数のファンドを組み合わせているファンドオブファンズと言った物も今後出てきますので、こういった手法もあるのだと覚えておいてください。
その下にファンドのポイントと言う欄がありますが、たいしたことは書いてないのでさらりと読んでおいてください。
ここから後は難しい上にそこまで重要ではないのでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
投資リスク
投資リスクの定量比較
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは棒グラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
このファンドの騰落率を比較するべきは新興国株のグラフです。今回の場合は新興国株クラスと1%ほどのズレがありますね。新興国株は市場へのアクセスやらなんやらの問題で投資コストが先進国株式と比べてかなりかかります。なので、この程度のズレならば許容範囲でしょう。
運用実績
ここで見るべきは純資産グラフと、分配金の推移です。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
まず純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
今回の場合は純資産額が基準価額とだいたい連動しているような絵を描いていますね。あまり増えもせず減りもせずと言ったところでしょうか?
分配の推移
分配金は出ていますが少なめですね。本当は出さない方がいいのですが仕方ありませんね。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは0.594%と低めの信託報酬手数料です。
新興国株という点で見れば安い部類ですね。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回のファンドは5年のリターンが楽天証券で出ているのでそちらを使います。また、30年のリターンは下記のインデックス結果から20年のリターンで信託報酬手数料を引いた数字を使います。
5年運用してみた
過去5年運用すると+6.64%/年のようです。
元本60万に運用益約10万です。。
30年運用してみた
20年(年率)は+5.3%なので、約+4.7%で運用してみましょう。
元本360万に運用益約427万です。なかなかいい成績です。
まとめ
インデックスファンドのインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式を見ていきました。
最後の運用結果ではいい成績を収めていますが、引用したリスク・リターン表の画像のうちリスクの部分をよく見てください。20年の場合はリスクが25.9%とあります。これは上記のリターンの誤差が±25.9%と言うことです。つまり、20年後のリターンは約-20%と約+30%の間の数字に収まると言うことが示されています。
幅が広すぎて全く参考になりませんが、これが新興国の投資リスクの一端だと思っていただければいいかと思います。
それでは、投資は自己責任で!