本日みやこさんとVケットに行き、ついでにブイラジを撮影した。
第4回にもなるVケットに開催期間中に行ったのはこれが初めてのことだ。今までVケットに行かなかったのはまあいろいろあるのだが、本来なら惰性で今回のVケットも見送ることにしていた。
行くことにしたのはひとえにウィークリーオチアイでVケットの話題が出たからだ。
Vケットの話が出るのはさすがに驚いた
— ふしめろ@ツイッターわからん (@hushinomiya) 2020年5月3日
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要約するとこうだ
裏でVRマーケットと言うのがやっている。デジタルに身体性を持たないということが気になる人間がデジタルアセットを1万とか出して買っている。
これは本質的にアナログを経由せずにデジタルのみで完結することなので、このVケットを体験せずしてデジタル完結構想を語るのは不可能。
49分ごろからこの話がちらっと出る。
この説明が腑に落ちたので、VRCに行くのをためらっていた僕としても確かになと思って改めて今回Vケットに行く動機づけができて、友人でありブイラジの相方であり今でもVRCで生活しているみやこさんに連絡を取りVケットを案内してもらったわけである。
俺たちは2Kから4Kになってタレントのシワが気になるように2Mから4CMになってポリゴンのシワが気になる人間なんだ
今回のブイラジの見どころは三つあり、一つはセブンイレブンブースのニーアオートマタコーナー、一つは企業ワールド、パラ東京のネットフリックス攻殻機動隊ブースのタチコマ、一つは一般参加ワールドのぬこみやさん合同ブースの解説である。
そもそも、みやこさん、ぬこみやさんは初期VRCごろからの*1友人であり二人ともVRC上の3Dモデル作成の腕に覚えのある人物である。*2
彼ら*3のブース解説は先ほどの引用にあるデジタルに身体性を求める人間として、またその身体性を拡張する能力に長けている人間が持ち合わせる価値観として傾聴に値するものだ。
セブンイレブンブース・ニーアオートマタコーナー
このコーナーでVケットの最大の目玉の一つであるニーアオートマタ2B・9Sアバター販売コーナーに立ち寄ったみやこさんの言葉をみると、この二つのアバターは非常に出来がいいことがうかがえる。そして、リアルアイテムを購入したときについてくるとされた武器のチョイスに疑問符が付くと解説している。
思い返せば3年前、VRCに入り浸っていた時のこと、日本人で会う人会う人、自らのアバターに持たせる小物を四苦八苦して作成していた。また装着、収納のアニメーションに凝り、それを展開するモーションに賛辞を贈っていた。
少なくとも小物のカッコよさ、そこから派生するモーションと言うものはデジタルの付加価値の根源であることは疑いようがないだろう。
その点で見るとニーアオートマタの武器は大部分が明らかにサビ付いており、これを所持していたところでたしかに味と言うものはあるにせよ合わせにくい小物であることに間違いはない。現実で考えれば、よほどの好きものか、どうしても必要か、なにかいわれのある物品でない限りサビ付いた品を購入することはない。
そう考えると、なぜニーアオートマタ2Bの代表的な刀である「白の契約」などをラインナップしなかったのか謎である。
ネットフリックスブース・攻殻機動隊コーナー
ここではタチコマが販売されていた。みやこさんに購入するのかと聞くと、ここを見てみてくれと言われると、明らかにポリゴンが崩れている箇所が多く見受けられる。
明らかにVRCに持ってくるときに行ったデシメート*4の影響であると予測できた。
みやこさんの意見だとほしいがこれは買えない。公式だから期待したが。と言うことだ。たしかにこのアバターを着ることは、ましてやワールドに置くということは自作したという言い訳なしには配置できないと思った。
これは言うなれば服を買ったときにボタンの穴が合ってないとか、糸がめちゃめちゃ出てるとか、そういうレベルの話に近い。
これが俯瞰視点のゲーム内であれば問題にならないだろう。カメラとモデルの位置が数メートル以上離れているのだからおそらくこのくらいのデシメートを行ってもプレイヤーは気にもならないだろう。
しかし、VRC上ではカメラはプレイヤーの目線にあり、モデルは数十センチ先、場合によっては数ミリ先に置かれるわけだ。センチミリの領域でポリゴン破綻を起こしていい場所いけない場所の区別、またポリゴン破綻しないモデルの作りと言った部分がオンデジ空間での付加価値になるのではないだろうか? 雑に言えば丁寧な作りが重要と言うことだ。
一般参加ワールド・ぬこみやさん合同ブース
ここで一般参加ワールドに移った。ぬこみやさんがVケットにブースを出し出品しているからだ。
ぬこみやさんの合同ブースに先立って様々な一般参加者のブースを見たが、どれも先ほどのタチコマのようなポリゴン破綻を起こしておらず、エラーもある意味笑えるようなもの*5ばかりだった。
そして、ぬこみやさんのブースにたどり着きモデルのこだわり部分を聞かせてもらったが、どれもこれもそこまで細かく作るのかと驚くばかりだった。アニメーションでここが左手右手用に動くとかここの部品はみやこさんからもらって各種パーツがそのままつけることができるだとか詳しくは動画を見てほしい。
端的に言えばぬこみやさんが解説していたのはオンデジでの3Dモデルの付加価値のつけ方の話だ。そしてそれはある意味製作者が使用者に対してどこまで親切なのかと言う話に近い気がする。モデル一つに対して、左手用右手用とモーションないしは種類を用意するのは相当骨が折れる作業のはずだ。
また、最後にみやこさんが「みんな大好きミニガン」を披露したが6色展開で配布していると言っていた。色を用意する作業がどれほどの手間かはあいにくわからないが、少なくとも利用者にとっては6色もあれば自分のアバターに小物として合わせる際には非常に便利なはずだ。別に1色でも何も問題はないがこれも親切心の一つの形だ。
身も蓋もないことを言えば相手の立場になって考えるのが付加価値
ここまでを統合して一般化すると、利用者のシーンに合わせて親切にすることが付加価値と言えそうだ。
相手の立場になって考える。なんというか昔から言われていそうなことに着地しそうなことに面白みを覚えてしまう。
そういえば、相手の立場になって考えたケーキが大分売れているというニュースがあった。
自粛自粛とギスギスオフラインになっているこのご時世、親切心と言うのは非常に本質的なところなのではないだろうか。