どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回から楽天証券iDeCoの海外株式クラスの取扱商品を見ていきます。国内株式とはまた毛色の違うクラスですが、基本は一緒ですのでリラックスしてご覧ください。
このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
わかってる人向けのまとめ
海外株式クラスと一口に言っても、その中身はまるで違います。先進国株式を重点的に網羅したファンドもあれば、新興国を代表するハイリスクハイリターンの市場まで千差万別ですので、そこのチェックがまず最初ですね。
運用方針
主として、日本を除く世界先進各国の市場で取引されている株式を主要投資対象とする「ラッセル・インベストメント外国株式マザーファンド」に投資する。マザーファンドは複数の運用スタイル、複数の運用会社を組み合わせた「マルチ・マネージャー運用」を行う。MSCI KOKUSAI(配当込み)をベンチマークとする。市況、資金動向等を勘案し、為替ヘッジを行う場合がある。
今回のファンドは運用方針にあるとおりMSCI KOKUSAI(配当込み)をベンチマークにすると書いていますが、これだけだとよくわからないので交付目論見書を読むと、中長期的にベンチマークを上回ることを目指すとの記述がありますのでこのファンドはアクティブファンドとなります。
このインデックスは・・
・MSCI ワールド・インデックス(MSCI World Index)の一部
・先進国(Developed Markets)が対象
・そのうち、日本を除くすべての先進国が対象
・各国の大型/中型株(時価総額の上位約85%)をカバー
・MSCIシリーズの中でも代表的なインデックスのひとつ
そして同じMSCI KOKUSAIインデックスを採用するたわらノーロード先進国株式では円ベースの数値でしたが、こちらはドルベースの数値となっているみたいです。
iDeCoの商品解説-たわらノーロード 先進国株式-楽天証券 - 東屋書店
では、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:○
このファンドは約50億円と100億には届かないものの、基準の30億円を超えているので資産的には問題ありませんね。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:×
信託報酬手数料が1.458%とかなり高めです。タダでさえアクティブファンドは取引コストの多さから信託報酬手数料が高くなりがちなのに、交付目論見書を見ると複数の運用マネージャーを雇い、複数の運用スタイルで運用しているためこのような数字となったのでしょう。
3.一国の景気に左右されないか:○
このファンドは日本を除く先進国株式に実質投資を行っているので、たとえ一つの国の景気が悪くても成長が見込めます。また、複数の運用スタイルで運用しているため、ほかのアクティブファンドよりも冗長度が高いという利点があります。
総合評価:信託報酬手数料がネックだが成績と運用方法は信用できる
信託報酬手数料以外は○のアクティブファンドです。モーニングスターでたわらノーロード先進国株式とインデックスとで比較した場合はたわら>インデックス>ラッセルと手数料分負けているようですので、その点を留意した方がいいですね。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っている海外株式クラスの一つ
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 投資信託 | 楽天証券
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を1ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:海外
- 投資対象資産:株式
- 補足分類:なし
- 投資対象地域:グローバル(日本を除く)
- 投資形態:ファミリーファンド
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは海外株式の中から日本を除いた先進国株式に投資するファミリーファンド方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと日本以外の先進国株式に投資すると言うことになります。でもこれだけではどんな銘柄を買うのか? どういう基準で銘柄を選定するのか? と言うことが全くわかりません。なので、次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファミリーファンドという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
信託財産の長期的な成長を図ることを目的として運用を行います。
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
さらに訳がわからなくなりましたね。こういうときはファンドの特色を見に行きましょう。
ファンドの特色
次にファンドの特色には先ほどファンドの目的で書かれている「指標に連動する成績」のもう少し詳しい説明、「どのような方針で連動する成績を達成するか」が書いてあります。
◇日本を除く先進各国の株式を実質的な主要投資対象とします。
(中略 ファンドのしくみの図がここに掲載されている)
◇ 運用スタイルの異なる複数の運用会社を組み合わせた「マルチ・マネージャー運用」
を行います。
●世界中から厳選した複数の運用会社を、最適と判断される目標配分割合で組み合わせます。ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
ここで重要なのは、「マルチ・マネージャー運用」と銘打たれた運用手法の説明です。簡単に言えば、複数の投資スタイルを組み合わせてリスク分散を図ると言うことです。
ファンドのしくみ
さて、今回のファンドではファンドのしくみがなく、ファンドの特色の上部に示されていますのでそちらをご確認ください。
そして、ここではファミリーファンドとは何かということが図で分かりやすく説明されます。
要は、このファンドと投資対象の間にもう一つファンドが入ると言うことです。なぜこんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
ほかにも複数のファンドを組み合わせているファンドオブファンズと言った物も今後出てきますので、こういった手法もあるのだと覚えておいてください。
ここから後は難しい上のでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
投資リスク
投資リスクの定量比較
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは棒グラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
このファンドの騰落率を比較するべきは先進国株のグラフです。今回の場合は先進国株クラスと上下に4%ずつのズレがありますね。アクティブファンドなので値動きがきついのかもしれません。
運用実績
ここで見るべきは純資産グラフと、分配金の推移です。
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
まず純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
今回の場合は純資産額が基準価額とだいたい連動しているような絵を描いていますね。あまり増えもせず減りもせずと言ったところでしょうか? 最近の基準価額は下落しているにもかかわらず純資産額は増加しているので資金の流れは健全そうです。
分配の推移
分配金は出ていないので問題ないです。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは1.458%とかなり高めの信託報酬手数料です。
個人的にはあまりよろしくありませんね。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回のファンドはアクティブファンドなので、指標を利用することが出来ません。なので5年と10年のトータルリターンがモーニングスターで出ているのでそちらを使います。ここから、10年のリターンを30年分として計算します。
5年運用してみた
過去5年運用すると+16.79%/年のようです。
元本60万に運用益約33万です。。
30年運用してみた
10年(年率)は+4.32%です。
元本360万に運用益約375万です。なかなかいい成績です。
まとめ
アクティブファンドのラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)を見ていきました。
アクティブだけあって、信託報酬手数料がかなり高いです。その結果、インデックスとの比較で手数料ぐらい負けています。
アクティブファンドが悪いわけではないですが、構造的に手数料が高くなりやすい分インデックスファンドに勝つのは難しいのでしょう。
それでは、投資は自己責任で!