どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回は楽天証券iDeCoのバランス型ファンドの取扱商品を見ていきます。バランス型ファンドはたとえば株式に50%債券に30%REITに20%みたいな感じで資産配分が決まっているファンドのことです。投資初心者にとっては非常に頼りになる物でしょう。
このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
- 比較的わかってる人向けのまとめ
- 交付目論見書を読んでいこう!
- 商品分類と属性区分
- ファンドの目的・特色
- 投資リスク
- 運用実績
- 手続・手数料等
- このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
- まとめ
比較的わかってる人向けのまとめ
さて、バランスファンドは資産配分を見なければなんとも言えないので資産配分表を見たいのですが、どうやら市況を見て資産配分がグリングリン変わる変動型のためこれと言った配分が出てないみたいですね。
運用方針
複数の投資信託証券等への投資を通じて、世界の債券、株式およびリート等に投資する。市場のリスク選好状況を定量的に捉え、資産配分を調整することにより、下方リスクを抑制する。債券の一部について、米ドル売り円買いの為替ヘッジを行う。株式、リート部分については、原則、対円での為替ヘッジを行わない。
とりあえず、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:×
このファンドは約2億円と30億にほど遠い純資産額です。純資産額は右肩上がりですがちょっと低すぎますね。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:×
信託報酬手数料が1.2856%と高いですね。運用方針に市況を見て資産配分を変えるという記述があるので、取引回数が多すぎるのでしょう。
3.一国の景気に左右されないか:○
バランス型ファンドは複数の投資クラスを運用するのが前提ですから基本的に○です。
総合評価:資産配分がしょっちゅう変わるバランス型ファンドは厳しい
正直、資産配分がしょっちゅう変わるバランス型ファンドの致命的な弱点は取引コストが大きすぎることで、購入者が得られる利益を食ってしまうところにあります。
また、構造的な問題も存在します。このファンドの資産配分が変わるメカニズムは市況が良いか悪いかと言う判断です。良いときは株式の割合を増やし、悪いときには債券の比率を増やすそうです。
別に悪くない判断基準であるとは思いますが、上がると見越した市況が実際には下がっていくと言うことはままあるはずです。
そうしたときに値上がるのは債券ですから債券に資産を移動させます。そうすると、価値の下がった株式と価値の上がった債券の交換ですので取引損が出てくるでしょうし、株式が悪いときは=株式が割安で買えるのですから長期的に見た場合、株式の比率を高めた方が良い訳です。
そうした判断が構造上出来ないこのファンドはあまり魅力的ではないのかもしれませんね。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っているバランス型ファンドの一つ
三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型) | 投資信託 | 楽天証券
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を1ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:内外
- 投資対象資産:資産複合
- 補足分類:なし
- 投資対象地域:グローバル(日本を含む)
- 投資形態:ファンド・オブ・ファンズ
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは世界全体の複数の資産に投資するファンド・オブ・ファンズ方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドはだいたい何にでも投資すると言うことになります。次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファンド・オブ・ファンズという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
投資信託証券等への投資を通じて、世界各国の債券、株式および不動産投資信託(リート)等に投資することにより、信託財産の中長期的な成長を目指して運用を行います。
三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
なので、このファンドは債券・株式・REITへ主にファンドと言うことがわかりますね。
ファンドの特色
ファンドの特色ですがまず2番の補足事項に目を向けてください。
市場のリスク選好状況を定量的に捉え、資産配分を調整することにより、下方リスクを抑制します。
三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
このファンドは市況を鑑みて資産配分を調節するようです。ここがこのファンドの肝ですね
また、3番には為替ヘッジを行うと言うことが書いてあります。為替ヘッジは為替リスクを低くする効果がありますので、烈しい値動きが起こらない分利益も割り引かれます。
ファンドのしくみ
ここではファンド・オブ・ファンズとは何かということがファンドの特色の中に図で分かりやすく説明されます。
今までのマザーファンド形式は、このファンドと投資対象の間にもう一つファンドが入ると言うことでしたが。なぜそんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
しかし、この方式の弱点はマザーファンドが一種類の投資クラスしか取り扱っていないことがままあるため複数の投資クラスに資産を投資する場合に不便であるということが言えます。なので、既存のマザーファンドとは全く別の投資クラスを取り扱うマザーファンドをもう一つ組み合わせることでこれを解決することが思いつきます。
そして、それを実行し複数のマザーファンドを利用して投資を行う携帯をファンド・オブ・ファンズと呼ぶわけです。
結構ざっくりとした説明で申し訳ないですが、実際しらなくても投資は出来るので気にしないでください。
ポートフォリオのイメージ
さて、バランス型ファンドの重要項目であるポートフォリオ(資産配分)がどのようになっているか? を示したところです。
この図を見る限り、債券や現金の比重がかなり大きいのでこのファンドはかなり守りに入っている物だということが言えそうですね。
その下の資産分配の調整でも、低変動の物は60~100%の間、高変動は0~40%で運用するということから高変動部分はあくまでおまけで低変動部分がこのファンドの根幹のようです。
ここから後は難しい上のでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
投資リスク
投資リスクの定量比較
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
が、このファンドは若いので下の引用は参考としてみていてください。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは棒グラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
棒グラフの下落がすごいですね。このファンドはリーマンショックの影響から回復しはじめている最中に設定されているので、リーマンショックから回復すると言うことは株の調子がいい=金の価格は下がるということでしょうが無いですね。
運用実績
ここで見るべきは純資産グラフと、分配金の推移です。
三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
まず純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
今回の場合は、純資産額が右肩上がりになっていますね。
分配の推移
分配金は出ていないので問題ないでしょう。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは1.2856%と表示されています。高いですね。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回のファンドはバランス型ファンドのため、一概にこうだということは出来ません。しかし、現在のポートフォリオからどのような値動きが予想できるかを推測出来ます。
使用するツールはこちらです。12資産に対応し使い勝手がかなり良いです。
このファンドの月次レポートを見ると現在このような資産配分です。
三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
おおむね高20%低80%ですね。これは今現在の値なので、将来的にこの資産配分はごろごろ変わってくるということを頭に入れておいてください。
また、詳細な資産配分が不明なためざっくりと入力していることをご了承ください。
なるほど。この資産配分で行くとだいたい6.8%のリターンが得られるみたいですね。信託報酬手数料を引くと5.5%くらいなので、やはり足を引っ張ってしまいますね。
30年運用してみた
上記の結果から5.5%で運用してみましょう。
元本360万の運用益約553万です。
まとめ
バランス型ファンドの三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型)を見ていきました。
個別の投資クラスへの資産配分を考えるよりもバランス型ファンド一本に資産を振り分ける方がリスクを抑えられてお手軽ですね。
しかし、バランス型ファンドにもいろいろな資産配分やその運用方法がありますので、しっかりと交付目論見書を確認しないと資産の伸びが悪くなっていまいます。
そのことを踏まえた上でバランス型ファンドを利用していきたいですね。
それでは、投資は自己責任で!