どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
今回から楽天証券iDeCoの海外債券クラスの取扱商品を見ていきます。国内債券とはまた毛色の違うクラスですが、基本は一緒ですのでリラックスしてご覧ください。
このページを初めて見る人のためにところどころ簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
- 債券のざっくりとした解説
- 比較的わかってる人向けのまとめ
- 交付目論見書を読んでいこう!
- 商品分類と属性区分
- ファンドの目的・特色
- 投資リスク
- 運用実績
- 手続・手数料等
- このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
- まとめ
債券のざっくりとした解説
株式はなんとなくわかっても債券はよくわからないという人が比較的多いかもしれません。
債券とは簡単に言えば会社や国が投資家から借金をしたときに発行する借用書のような物で、株式と違い利率や満期日が設定されています。
- 利率=定期的な利子収入が見込める
- 満期日=この日が来たら購入額面金額である償還金が帰ってくる
この二点により、株式のように配当金は出ない物の定期的な利子収入が見込め、満期日の償還金により元本がかえって来るという比較的安全性の高い商品です。
とは言え、発行する団体によっては債券の安全性が危ういこともあります。その辺は他の人の解説に譲りますので一度お調べください。
比較的わかってる人向けのまとめ
さて、今回のファンドは海外債券の中でも新興国国債券に絡む物のようです。運用方針を見てみましょう。
運用方針
主として、「海外新興国債券インデックスLocal(ヘッジなし)マザーファンド」を通じて、新興国の現地通貨建債券に投資を行い、JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ グローバル・ディバーシファイド(円ヘッジなし・円ベース)の動きに連動する投資成果を目指す。
この運用方針を見ると、JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ グローバル・ディバーシファイド(円ヘッジなし・円ベース)と言う指標に連動する投資成果を目指すインデックスファンドのようです。
このインデックスは世界の新興国国債を対象とした指標のようで、新興国国債は先進国国債に比べてリスクが大きい物の利回りが大きいことが特徴です。
JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイドは、新興国債券市場への投資を目的とした指数(インデックス)です。新興国16カ国の債券、約200銘柄から構成されています。
JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ(GBI-EM)グローバル・ディバーシファイドとは? | インデックス投資で資産運用
では、このファンドを長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうでしょうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:×
このファンドは約27億円と30億に近い純資産額です。そして、純資産額はパフォーマンスの下落に多少影響されつつも右肩上がりに近い動きをしているのでしばらくすれば30億は突破してくるでしょう。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:○
信託報酬手数料が0.5616%と普通の水準ですね。新興国などの市場では取引コストが高いので信託報酬手数料が上がってくる傾向にあります。よってこの数字であれば特に言うことはありませんね。
3.一国の景気に左右されないか:○
このファンドは新興国国債に実質投資を行っています。また指標自体が新興国市場内で分散が図られているため、一国の景気に左右されることは少ないでしょう。
JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイドは、新興国債券市場への投資を目的としたベンチマークとして主要低コストインデックスに使われています。一国の構成比を最高でも10%に抑えるなど、指数の分散性が高い点が特徴です。地域別で見ても各地域ほぼ均等に割り当てられています。
JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ(GBI-EM)グローバル・ディバーシファイドとは? | インデックス投資で資産運用
総合評価:債券を採用する理由をよく考えた方がいい
純資産額以外は○のインデックスファンドです。現状ベンチマークとも概ね連動できている上にネックの純資産額も右肩上がりで順調に成長しているため、購入しても問題ないでしょう。
しかし、債券を購入すると言うことはどういうことなのでしょうか? 債券はその特性上元本の安全性が高い商品ですので、当然購入すると決めるときは資産の安全性に興味が向いていると言うことでしょう。しかし、その安全性という特性を減らした新興国債券を購入すると言うことはいったいどういうことなのでしょうか?
この二律背反に近い資産配分をするということの正当性を一度よく考えた方がいいかもしれません。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っている海外株式クラスの一つ
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型) | 投資信託 | 楽天証券
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を2ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:海外
- 投資対象資産:債券
- 補足分類:インデックス型
- 投資対象地域:エマージング
- 投資形態:ファミリーファンド
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは海外債券の中から新興国国債券に投資するファミリーファンド方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと新興国国債券に投資すると言うことになります。次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファミリーファンドという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
主として、新興国の債券に投資を行い、JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ グローバル・ディバーシファイド(円ヘッジなし・円ベース)の動きに連動する投資成果をめざします。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ グローバル・ディバーシファイド(円ヘッジなし・円ベース)は新興国債券に対する指標であるため、実質的にこのファンドを購入すると新興国債券全体に投資していることになりますね。
ファンドの特色
ファンドの特色ですが、ファンドの目的以上のことは言っていないので飛ばします。
ファンドのしくみ
ここではファミリーファンドとは何かということが図で分かりやすく説明されます。
要は、このファンドと投資対象の間にもう一つファンドが入ると言うことです。なぜこんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
ほかにも複数のファンドを組み合わせているファンドオブファンズと言った物も今後出てきますので、こういった手法もあるのだと覚えておいてください。
ここから後は難しい上のでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
投資リスク
投資リスクの定量比較
ここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは棒グラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
このファンドの騰落率を比較するべきは新興国債のグラフです。今回の場合は新興国債クラスと上側に約4%のズレがありますね。
運用実績
ここで見るべきは純資産グラフと、分配金の推移です。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型) | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
まず純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
基準価額・純資産の推移
今回の場合は多少基準価額の下振れに影響されつつも右肩上がりで純資産額が増えているので問題ないでしょう。
分配の推移
分配金が出ているので少し不安ですね、あまり出さない方がいいのですがこればかりはどうしようもありません。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは0.5616%と普通くらいの信託報酬手数料です。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
今回の指標はかなり若いものなので、実績が5年分しかありません。なので、5年分の年利を両方に適用します。
5年運用してみた
過去5年運用すると5.2-0.5616=約+4.6%/年のようです。
元本60万に運用益約7万です。。
30年運用してみた
30年はどうでしょうか。
元本360万に運用益約410万です。
まとめ
インデックスファンドのインデックスファンド海外新興国(エマージング)債券を見ていきました。
債券系は比較的安全かつきちんとした収益が見込める投資クラスですが、新興国債券は投資リスクがかなり大きいのが特徴です。また、先進国の株式と債券の相関が大きいため、それらの値動きに多大な影響を受けます。
と言うことは先進国系の投資クラスを保有している場合、新興国債券を購入することはリスクの分散に当てはまりにくいと言うことが言えますね。
そのことをしっかり踏まえた上で、新興国債券の購入を検討してみてください。
それでは、投資は自己責任で!