どうもふしめろです。
前回は第三世代VTuberの改定を行いましたが、その先の第四世代がどうなるかを考えた結果を書き起こしておくものとする。
第三世代と第四世代の共通点
第四世代を語るにはまず第三世代が何だったのか、第四世代は第三世代と何が同じで何が違うのかを決める必要がある。
第三世代と第四世代はVTuberという文化が成立しないと存在することができない概念である。なぜならこの二世代は第一第二が提出したVTuberを構成するとされる要素の一部を特化した存在だからである。
第三世代はVTuberをつかさどる二大要素の片方、VTuberとは3Dないしは2Dのキャラクターを操る存在であると言う概念を軸に他者の生み出したコンテンツを彩るスター・システムとして機能する。
一方の第四世代はVTuber二大要素のもう片方、VTuberとはその存在に双方向性を持つという概念を拡張したものである。
自我を得たキャラクター
VTuberは3Dないしは2Dのキャラクターであると言う要素において、従来のコンテンツ志向メディアでのキャラクターの取り扱われ方ではコンテンツ内でキャラクターの行動が完結することが多くあった。
これはアニメのキャラクターが代表的だが、このキャラクターに双方向性を付与するとなると超えなくてはいけないハードルが一つ存在する。自我の獲得だ。
コンテンツ志向メディアでのキャラクターはコンテンツ上で期待される通りに行動すればそれで問題なかったが、双方向性を付与するとなるとコミュニケーション志向メディアにキャラクターを対応させる必要がある。
これにはキャラクターとして不特定多数の受け手からの予測不能な影響を処理するいわば自我を出現させるという難題が出現する。
第一世代ではヒトをキャラクターに植え付けることによってこの難題を克服した。基本的にキャラクターの受け手はヒトなので、受け手からの影響をヒトで処理することは単純で低コストではあるが非常に効果が高かった。よって第二世代第三世代もそれに続いた。
しかし第四世代は自我をヒトではなく機械学習を用いたボットで実現しようとする。
第四世代=パッケージ化されたVTuber
双方向性とは言うものの、受け手からVTuberへの入力はその大部分が文字そしてファンアートといった画像が主体であり、VTuberの出力は動画と文字と音声が主体である。
ということは文字と文字の入出力さえ克服できればVTuberのボット化はたやすくなる。
音声は文字読み上げソフトを使用すればよく、これはのらきゃっとが実施済みである。
動画は立ち絵を用意し条件で動作分岐させればいい。
文字の入出力はりんなのようなチャットボットを使用すればいい。
こと第四世代においてヒトは全体のブランディングや広報、もしくは企画と言った裏方作業に居場所を求めることになるだろう。
もちろんこれらの要素を統合するのはかなりの労力を必要とするが、実現すればまず間違いなく最初の一体の出現は大事になる。
おそらくこの第四世代を実現するのは体力のある事務所、もしくはゲーム企業、もしくはIT企業である。個人的にはIT企業が最初に出してくるだろうとは思っている。
第四世代は出現するのか
上記に挙げ連ねた第四世代の条件を持たす存在が出てくるのだろうか?
おそらく出てくるにはそれなりの時間がかかるだろうが、アイデアとしてそれなりの数の会議で提出されているはずだ。ではなぜ出てこないかというと、出した後の運用が非常に難解なことが一例に挙げられる。
AIが小説を書いた、音楽を作った、絵を描いたという話はすでに上がっているものの、だからどうしたという段階にまで到達できていないのがその証拠だ。
もっともその根本は、人が熱狂するのは人以外に存在しないからだというものもあるし、そもそもガワが存在しないので人が認識できていないというのもあるし、一番大きいのは作っているところがコンテンツを売る仕事をしていないからだというのもある。
しかし、この第四世代はそのすべてを克服する土壌としてVTuberの世界を選ぶことができる。
これを生かせるかどうかは第四世代を手に入れた存在の力量次第だ。