どうも、ふしめろです。
iDeCoを始めるに当たり、避けては通れないのが投資商品つまり、ファンドの選定です。
前回に引き続き、楽天証券iDeCoの取扱商品を見ていきます。このページを初めて見る人のために簡単な解説をつけていますのでご了承ください。
わかってる人向けのまとめ
前回に引き続きアクティブファンドのこちらは、日本成長株に投資するファンドのようです。
「競争力の優位性」と「利益の成長性」を重視した個別銘柄選定を通じて、 超過収益の獲得を目指します。
※ 超過収益とは、市場全体の投資収益率を上回るファンドの投資収益の付加部分をいいます。
MHAM日本成長株ファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
アクティブファンドと言うことで前回のiTrust日本株式とよく似通っていますが、あちらとこちらの違いは、すでに何らかの業界トップになっている企業(ナンバーワン企業)から銘柄を選定するか、単に競争の優位と利益の成長がかみ合った企業に投資するかの違いです。
なので、たとえ業界最下位でも独自技術や利益成長がめざましい企業が存在する場合、前者のファンドだと取りこぼしますが、このファンドであれば比較的拾いやすいと言うことになります。
なので、前回のファンドよりこちらの方が投資リスクが大きくなり、特に値上がり率がかなり大きくなって来るでしょう。また、企業分析が優秀であれば値下がり率はどんどん低くなってきます。
では、長期投資信託3つのポイントに照らし合わせるとどうか?
1.純資産額が30億円以上かどうか:○
このファンドは現在84億円の純資産額がある。しかも、純資産額はきちんと右肩上がりになってきている。この資産額であれば長期保有でも安心でしょう。
2.信託報酬手数料は1%以下、または0.5%以下か:×
これは1.674%と今まで紹介したファンドと比べるとかなり高い手数料だ。TOPIXに連動するインデックスファンドが0.2%であることを考えると二の足を踏んでしまう。
とはいえ、現状5年の毎年リターンがTOPIX指数の14%より+7%多い、21%というすさまじいことになっているので、その利益から1.6%引いたところで毎年19%の資産成長である。
もしこのままの調子で成長し続けるのであれば、高すぎる手数料を飲んで投資してみてもいいかもしれない。とはいえ、少しギャンブルになるのは否めないが。
3.一国の景気に左右されないか:×
これは日本国にしか投資していないので、もろに左右される。×だ。
総合評価:ポートフォリオの一部に採用するにとどめるべき
さて、なかなか面白いファンドが存在していることに驚きを隠せないが、このファンドは日本の成長株を探しだし投資するというなかなか興味深いファンドである。
これで信託報酬手数料が1%だったら迷わずポートフォリオの一部に採用するが、1.6%と言う少し重い数字は足かせ以外の何物でも無い。
また、日本市場にしか投資しないことから日本の景気をもろに受けるため、日本株というくくりの中で、ポートフォリオの一部として購入するのが得策だと思われる。
以下商品解説
交付目論見書を読んでいこう!
今回は楽天証券のiDeCoで取り扱っている国内株式クラスの一つ
を詳しく見ていくことにしましょう。
まずは上記ファンドページのチャート左下から
- 目論見書
を展開しましょう。
目論見書(交付目論見書)というのは該当するファンドのすべてが図や絵を多用しできるだけ分かりやすく書いてある資料です。
これさえ読めばこのファンドの9割を理解したと言っても過言ではありません。
商品分類と属性区分
さっそく、「このファンドがどういった物なのか?」を1ページ目の商品分類と属性区分から重要な項目だけ抜き出しましょう。
- 投資対象地域:国内
- 投資対象資産:株式
- 補足分類:なし
- 投資形態:ファミリーファンド
何を言っているかさっぱりな人用にまとめると、
このファンドは日本株式に投資するファミリーファンド方式のファンド(投資信託)ですと言うことです。
つまり、このファンドを買うと日本株式に投資すると言うことになります。でもこれだけではどんな株を買うのか? どういう基準で株を選定するのか? と言うことが全くわかりません。なので、次のファンドの目的・特色に行きましょう。
ちなみにファミリーファンドという聞き慣れない用語が出てきましたが、それについてはファンドのしくみで説明します。
ファンドの目的・特色
さて、ここではこのファンドがどういった運用を行うのか、どういう特徴があるのか? を分かりやすく説明してくれる部分です。
ファンドの目的
まずファンドの目的を読みましょう。この目的というのは運用方針です。
「このファンドはどのように皆さんからもらったお金を投資していくか?」
ということが書いてあります。
わが国の株式に投資を行い、信託財産の中・長期的な成長を目指します。
MHAM日本成長株ファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
どうやら中長期を狙ったファンドのようですね。
ではいったいどうやって資産成長を達成するのでしょうか次のファンドの特色を見てみましょう。
ファンドの特色
次にファンドの特色には先ほどファンドの目的で書かれている「信託財産の成長を図る」ことのもう少し詳しい説明、「どのような方針で積極的な運用を行うか」が書いてありますので簡単にまとめると、
「競争力の優位性」と「利益の成長性」を重視した個別銘柄選定を通じて、超過収益の獲得を目指します。
※ 超過収益とは、市場全体の投資収益率を上回るファンドの投資収益の付加部分をいいます。MHAM日本成長株ファンド<DC年金> | 投資信託 | 楽天証券
-交付目論見書より
というわけです。
この場合の市場全体の投資収益率というのは往々にしてTOPIX指数などの市場指数のことを指します。
アナリストチームの綿密なボトムアップ・アプローチによる投資銘柄選定を基本と したアクティブ運用を行います。
- ボトムアップ・アプローチとは、個別企業の定量・定性両面にわたる調査・分析に基づき、 投資銘柄の選定を行う手法をいいます。
- アクティブ運用とは、ファンドマネジャーの独自の判断および様々な投資技法を駆使して、 市場全体の投資収益率を上回る超過収益の獲得を目指す運用方法をいいます。当ファンドでは、 TOPIX(東証株価指数)をこの投資収益率の参考指標とします。
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-交付目論見書より
この場合では、TOPIX指数を上回る成績を出すと言うことですね。
そして、こういう指標を上回る運用目標を掲げるファンドをアクティブファンドと呼びます。
アクティブファンドの特徴は頻繁な取引によるコストのせいで、信託手数料が高くなる傾向があり、信託報酬手数料を上回る運用成績を毎年出さなければ、インデックスファンドよりも赤字になるという制約が存在するため、基本的には投資収益が減じやすい傾向にあるようです。
ファンドのしくみ
さて、この交付目論見書にはファンドのしくみ欄は存在せず、ファンドの特色で説明されていますね。
ここではファミリーファンドとは何かということが図で分かりやすく説明されます。
要は、日本株式とこのファンドの間にもう一つファンドが入ると言うことです。なぜこんなことをするのかと言うと運用効率化のためです。
マザーファンドは、「親ファンド」とも呼ばれ、ファミリーファンド方式において、投資信託の運用・管理を効率化する目的から、複数のファンド(=ベビーファンド)の資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
ほかにも複数のファンドを組み合わせているファンドオブファンズと言った物も今後出てきますので、こういった手法もあるのだと覚えておいてください。
ここから後は難しい上にそこまで重要ではないのでここから下の方まで解説せずにざっと飛ばしますが、目だけは通しておいてください。
投資リスク
投資リスクの定量比較
さて、下の方まで来ましたがここでは投資リスクがどんなものかと言うことが書いてあります。
投資リスクとは騰落率(値上がったり値下がったりすること)の振れ幅の大小を指して言うのでこれを覚えておいてください。
ここでは左側のグラフを見ます。これはこのファンドがほかの代表的な資産クラス(外国株や債券)と比較してどのくらいの投資リスクがあるかと言うことを表示しています。
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-交付目論見書より
このファンドの5年前からの運用グラフが表示されています。こうしてみてみると、このファンドがかなり優秀だと言うことがよくわかります。右の棒グラフを見ると、当ファンドの投資リスクが日本株よりもリスクが大きいと言うことを示しています。また、リスクが大きいにもかかわらず、マイナス成長の数字が5%ほどプラスになっているので、年平均の成長率がかなり上向いています。
とはいえ、この数字はリーマンショックから立ち直り途中期間の数字であるため、今後の成長率を保証する物ではないと言うことをよく覚えておいてください。
運用実績
次のページにある運用実績では今までの実績が書き連ねてあります。ここで見るべきは左のグラフの純資産グラフと、右の表の分配金です。
基準価額・純資産の推移
まず左の純資産グラフですが、この純資産グラフが右肩上がりか少なくとも横ばいかどうかをよく見ましょう。最悪右肩下がりでも基準価格とグラフと連動していれば許容範囲です。これがもし右肩下がりであれば買ってはいけません
なぜかというと、この純資産というのはこのファンドが持つ運用可能な金額のことです。この金額が30億未満だと状況に合わせた柔軟な投資活動ができず身動きが取りにくくなるようです。なので、右肩下がりというのはこのファンドの命運は先細りしていることを意味しており、このグラフは非常に重要です。
今回の場合は純資産増加のお手本のようなグラフです。まずリーマンショックで大幅下落するのはどうしようもないのですが、その後の資産は減らずに横ばいを維持しており、その後の景気押し上げでどんと資産が増えています。
純資産は全く問題ありません。
分配の推移
次に分配金です。これは分配金が過去払い出されていたかを見ることができます。
意外に思われるかもしれませんが、ここは分配金がないことが優良ファンドの証です。
このファンドは今まで一度も分配金を出したことがないようです。素晴らしいですね。
手続・手数料等
ここではファンドを運営している人たちに払うためのお金がどのくらいかかってくるのかが書いてあります。
一般に信託報酬と呼ばれる物で、これが最終リターンに大きく関わってきます。
ファンドの費用・税金
ここの信託報酬欄に信託報酬が年何%かが書かれています。
たとえば年10%のリターンを上げたファンドがあり、その信託報酬が5%であればそのファンドのトータルリターンは5%となります。
今回取り上げているファンドでは1.674%と前に取り上げたアクティブファンドの約2倍です。少し高すぎます。
とはいえ現在、年21%のリターンをたたき出しているのでそこまで大きな問題にはなりませんが、このリターンが徐々に下がっていくのであればこの負担は重くのしかかってきます。
これで交付目論見書の解説を終わります。
このファンドで運用したらいったいいくらになるのか?
このファンドを毎月1万円積み立て運用したときどうなるのでしょうか?
毎年のリターンはこちらのパフォーマンスを参考にします。
投資信託のモーニングスター|スナップショット[MHAM 日本成長株ファンド<DC年金>]
5年運用してみた
それではこのファンドを5年運用してみましょう。
毎年22.8%の伸びで、信託報酬1.6%を割り引くと21.2%/年の伸びとなります。
ここでは21%ちょうどで運用してみましょう。
5*12=60なので60万円の運用で成果は1,046,752円。
約40万円の運用益が出てきました。すさまじいですね。これからもこの伸びを期待したいところです。
30年運用してみた
ではこちらのファンドを30年運用したらどうなるのでしょうか?
こちらではぐっと下がって3.05%となってしまいます。
これは、10年前のリーマンショック前にこのファンドを購入したという条件になるため、あまり数字が少しよろしくないですね。
こちらですと、だいたい年1.3%ほどの伸びとなります。
30*12=360万の元本に+80万を足した形となりました。もしまたリーマンショック級の下落が来たらたぶんこの数字になるでしょう。
それでも80万増えるというのはなかなかいいかもしれません。
まとめ
アクティブファンドのMHAM日本成長株ファンド<DC年金>を見ていきました。
一応かなり安定したアクティブファンドのようですが、投資リスクがインデックスファンドより大きいことと、信託報酬手数料の大きさが購入の足かせとなっています。
将来のことは誰にもわからず予測を立てるしかないのですが、これからかかってくるコストは目に見えてわかります。そうこのファンドは何が起ころうと毎年1.674%がさっ引いて行かれることが確定しているのです。このコストを飲むことができるかできないかが問題です。
そして、大幅下落時からの伸び率は目を見張る物があります。もし今後リーマンショック級の大幅下落が起こった場合には積極的に買っていってもいいと思います。
それでは、投資は自己責任で!